■「そのためには多少エラーはありますけど」
また、この試合だからこその狙いもあった。それは、27日に行われた非公開の練習試合に対するもので、脇坂の言葉を使えば「今日はそれをこう応用してというか、相手を見ながらやっていこうっていうところがあった」というものだ。
1試合目は非公開で行われたため、どのようなシステムやメンバーだったのか、選手それぞれの言葉の断片から推測することしかできない。だが、そのときとは戦い方のテーマを変えてトライしている部分があったという。
それについて、「また一歩進んだ感じになってましたし、それを使い分けるタイミングというのも、一人だったり二人だったりっていうんじゃなくて、チーム全員で共有できるようになってきているんで、今日のテーマとしてできたかなと思います」と、チームの成長を口にした。
ここで重要なのは、“使い分ける”という部分だ。図らずも、試合後の鬼木達監督も似たような内容を口にしており、チーム内でさまざまなトライをしていることが分かる。そして鬼木監督は、「チャレンジしているのはボールを持ってのところ」と言っており、攻撃の形の部分でチャレンジしていることも明らかになっている。
指揮官はその意図を、「敵陣でサッカーをやるために、パワーを使うのをできるだけ相手陣でやりたい。前線の選手もできるだけ敵陣でサッカーできるように」と説明し、「そのためには多少エラーはありますけど、でも、やっていかないといけない」と改めてその意志を固めていた。
エラー覚悟で取り組んでいる川崎の新たな形。その成熟は、今後、さらに求められていく。