■夢を見させてくれる原石たち

 準決勝の先制ゴールの場面では、右サイドのクロスに味方が絡んでボールがこぼれてきたところに飛び込んだ里見が押し込んだ。狙った通りのシュートではなかったので、かなり幸運な得点ではあったが、重要なのはボールがこぼれてくるのを察知してそこに飛び込んでいったところだ。

 つまり、そうしたポイントを見つけ出す独特の嗅覚のようなものを持っているのだ。

 実は、里見はU-15日本代表に招集された経験もある濱崎健斗がケガで欠場したことによって、代役として起用されたということなのだが、こうした独特の嗅覚というのは生まれながらのものであって、教えて教えられるものではない。教えられるのは、その嗅覚を生かしてどのようにプレーするか、である。里見が今後も成長を続けられれば、たとえば佐藤寿人のようなワンタッチでゴールを量産する面白い選手になる可能性もある。

 年末から年始にかけて、毎日のように若い世代の試合を見続けたが、たまたまそこで見かけた選手の中だけでも、かなり個性的で“雰囲気”を持ったFWがいたのである。

 もちろん、まだまだ彼らは“原石”のようなものであって、これからさまざまな経験を積んで完成度を上げていかなければならない。だが、こうした若い選手の中から1人でもいいから世界と戦える本格的なストライカーが育ってきてくれば、4年後のワールドカップでは日本代表が対等の立場で世界の強豪に伍して戦薄型が見られるだろう。

 単なる初夢に終わらないようにと願うばかりである。

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