大学と中学年代の頂点に立った川崎フロンターレ入り内定FWとヴィッセル神戸U-15の13歳の逸材ら【“雰囲気”をまとった若手ストライカー候補たち】(3)の画像
アカデミーで育てられた川崎へと戻る山田新 撮影:中地拓也

 年末年始にかけても、日本のサッカー界は動いていた。プロの試合はなかったものの、高校や大学の大会が行われていたのだ。そうした大会で、目を引いた選手たちがいる。サッカージャーナリスト・後藤健生が、若手ストライカー候補について考察する。

■大学サッカー界の注目FW

 元日に行われた全日本大学選手権大会決勝で活躍したのが桐蔭横浜大学のCF山下新だった。当然のことながら、高校生選手に比べれば完成度はかなり高かった。

 新潟医療福祉大学との対戦となった決勝戦。前半23分に新潟医療福祉大学に先制を許した桐蔭横浜大学だったが、26分には右からのクロスを山田がオーバーヘッドシュート。これがクロスバーに当たって跳ね返ったところを寺沼星文が決めて追いつく。

 そして、その後互いに1点ずつを取り合って2対2のまま迎えた後半のアディショナルタイムには、山田が左サイドからドリブルで仕掛けて、そのまま強烈なドライブシュートを叩き込んで、それが劇的な決勝ゴールとなったのだ。

 山田は川崎フロンターレの下部組織出身で、2023年には川崎に入団することになっているので、これからはレアンドロ・ダミアン小林悠とポジションを競い合っていくことになる。第1種の大学リーグで4年間プレー経験を積んできただけではなく、昨年はすでに特別指定選手として川崎でプレーした経験もあるのだから、高校生のストライカー候補に比べて完成度が高いのは当然だろう。

  1. 1
  2. 2
  3. 3