■「9番」らしさを感じる選手

 高校選手権のようなノックアウト式のトーナメントでは、当然、全試合、全チームを見ることができるわけでははい。それに、僕はユース年代のサッカーを特に追いかけているわけではないから、けっして網羅的に見てきたわけではない。たまたま、会場で見て目についたCFとしての“雰囲気”を持っている選手を何人かご紹介しただけである。

 全国大会に出られなかった選手もいれば、高校ではなくクラブで戦っている逸材もいる。従って、今回のコラムで触れた選手以外にもCF候補は数多くいるはずだ。

「“雰囲気”がある」という言い方をしたが、つまり、本格的なCFのような動き方をするというわけだ。ワールドカップで活躍した選手の中で、最もCFらしいプレーをした一人がハリー・ケインだった。トップに張ってパスを引き出して、相手DFと競り合いながらもボールをキープして味方につないだり、ターンして自らもシュートを打ったり。イングランドなど英国系のチームには、こうした伝統的な「9番」が数多くいる。

 日本にも、そんなプレーをできる選手がほしいのだが、最近の若いFWの中にはそうした「9番」らしい動きをする選手が散見される。つまり、それが“雰囲気”のある選手というわけである。

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