日大藤沢の198センチ長身FW森重陽介の“化ける”可能性を示す“粗削り”なプレー【“雰囲気”をまとった若手ストライカー候補たち】(2)の画像
ボルシアMG入りが決まっている福田ら、若いストライカーは幼少期から世界に触れている 撮影:中地拓也

 年末年始にかけても、日本のサッカー界は動いていた。プロの試合はなかったものの、高校や大学の大会が行われていたのだ。そうした大会で、目を引いた選手たちがいる。サッカージャーナリスト・後藤健生が、若手ストライカー候補について考察する。

■日大藤沢の長身FW

 年末年始はJリーグはお休みで、今年は恒例の天皇杯全日本選手権決勝もなかったので(ワールドカップの11月開催のために10月に前倒し)、もっぱら高校生年代などのさまざまなカテゴリーの試合を観戦することとなった。

 カタールでのワールドカップが終わった直後ということもあって、どうしても目はCFのプレーに注目することになった。そして、注目の福田師王だけではなく、それらしい“雰囲気”を持ったFWが何人か目についたのである。

 たとえば、福田の神村学園と3回戦で対戦した日大藤沢には198センチという長身の森重陽介というCFがおり、51分には左CKからのボールを高い打点のヘディングで決めて先制ゴールをもたらした(すぐに同点とされて1対1の引き分けに終わり、PK戦で神村学園が勝ち抜き)。森重は2回戦の西原戦でもヘディングで2得点を奪っており、やはりその長身を生かしたヘディングは大きな武器になっているようだ。

 ただ、まだまだプレーは粗削りで、非常に失礼な言い方をすれば「高さだけ」の選手だった。しかし、FKのときにはキッカーも任されるなどボール扱いもうまいし(長身の森重をゴール前に置くことができないにも関わらずキッカーを任せるということは、キックの精度に自信があるのだろう)、試合の終盤にはDFとしてその長身を生かしてもいる。戦術的な器用さもあるのだろう。

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