■青に身を包むジーコ

 試合の場面では、CMにも出場するなど人気者となったアルシンドの姿も映し出されている。まだ「鹿島町役場」だった時代の庁舎をジーコが表敬訪問し、花束を持った子どもなど多くの人が集う様子もほほえましい。

 もちろん、映っているジーコは40歳手前で若々しい。鹿島の前身の住友金属工業のものと思われるが、仲間ととも来ているジャージーやユニフォームが青いのはとても新鮮だ。夏場の練習後とみられるシーンでは、上半身裸の選手らと一緒にスイカにかぶりつく牧歌的な瞬間もとらえられている。

 そして、このショートムービーは、青かったユニフォームから情熱的な深紅に生まれ変わった鹿島の背番号10の背中で終わっている。

 ジーコは現在、クラブアドバイザーとしてクラブとのつながりを保ち続けている。復権を期するクラブとファンにとって、原点を振り返る貴重な機会になるかもしれない。

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