2022年に日本列島を熱狂させた男は、その最後の日も、TVを通して熱量を伝えた。
12月31日の東京・渋谷にあるNHKホール。年の瀬の国民的番組に出演するため、多くのアーティストがここに集まった。
この年で73回目を迎えるNHK『紅白歌合戦』。紅組と白組で競う歌の祭典は、前半部分と後半部分に分かれる。その後半開始時点からピッチに、いや、NHKホールの舞台に投入されたのがサッカー日本代表DF長友佑都だ。この国民的番組を盛り上げるために、途中出場。今ではトレードマークとなっている赤髪が映えるタキシードを着用して、ゲスト審査員を務めた日本代表・森保一監督と並んだのだ。
長友はカタールワールドカップで、サムライブルーが戦った4試合すべてに先発出場。36歳という年齢を感じさせない動きで、日本の最終ラインを支えた。ドイツやスペインといった欧州の強豪国を破ってグループリーグを首位通過。その立役者をあえて“切り札”として送り込み、会場とお茶の間のボルテージを再び盛り上げた。
当然、あの言葉を叫んだ。サッカー日本代表のW杯を中継する際、NHKがテーマ曲として流した4人組バンド『King Gnu』の曲『Stardom』が流れると、「ブラボー」で興奮を露わに。司会を務めた大泉洋と肩を組んで思い切り「ブラボー」を発する場面もあった。