■PK戦で泣くのはもったいない

 PK戦というのはサッカーの本質とは関係のない勝負だ。イビチャ・オシム監督はかつてPK戦を見ることなくロッカールームに戻ってしまって話題になったことがあった。

 しかし、そんなPK戦の結果によって、日本代表は目標だった「ベスト8」進出を逃がしてしまったのだ。いや、「ベスト8」どころではない。ワールドカップ優勝すらもPK戦勝負で決まることがあるのだ。

 いずれにしても、PK戦などという「つまらないこと」の結果で目標が達成できないのはもったいない限りだ。ワールドカップのような大会でPK戦という方式が採用されている限りは、それに備えておかなければならない。

 それが、カタール大会が日本のサッカー界に突きつけた教訓の一つなのだ。

 そこで、茨城での大会では勝敗に関係なく試合後にPK戦を行うということになったのだろう。

 プレッシャーのかからない条件でのPKなら入って当たり前。「だから、PKの練習など無意味だ」という意見もあるだろう。実際、日本代表が成人男子茨城県選抜(選手全員が流通経済大学)に3対0で勝利した後に行われたPK戦では両チームとも全員がキックに成功。最後は日本代表が10人目ではずして、10対9で茨城県選抜がPK戦で勝利した。

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