「つまらないこと」で負けないために始まったPK戦への新しい取り組み【日本サッカーの若手育成を考える】(2)の画像
PK戦で勝ち進めないなど、あまりにもったいない 撮影:原悦生(SONYα1使用)

 ワールドカップは終了したが、サッカーのサイクルは止まらない。日本代表も、さらなる成長を目指していく。そのために重要なのが、若手の台頭だ。日本サッカーの未来を切り拓く若年代の育成について、サッカージャーナリスト・後藤健生が考察する。

■始まっている年代別代表の強化

 年代別日本代表の強化はすでに始まっている。

 カタールワールドカップが終盤に差し掛かった12月中旬にはU-16日本代表が南米のパラグアイに遠征。チリ、コロンビア、パラグアイといった南米の強豪と戦って1勝1分1敗という成績を残した。総当たり形式で行われた大会の最終戦まで優勝を懸けて戦い、アディショナルタイムの失点で開催国パラグアイに追いつかれて優勝を逃してしまったものの、アウェーの地で貴重な経験を積んだ。

 U-16代表は来年のU-17ワールドカップ(11月・ペルー)を目指すチームである。

 年末にはU-18日本代表が茨城県内で開かれた「Ibaraki Next Generation Cup」という大会に出場。相手はU-20関東大学選抜や茨城県の選抜チームだったが、日本代表は3戦全勝で面目を保った。

 この大会では、すべての試合でPK戦が実施された。90分の試合時間で決着がついた試合でもPK戦が行われ、PK戦に勝ったチームには勝点1が与えられるというシステムだったのだ。

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