■楽しみな3位決定戦

 ワールドカップの試合がすべて面白いわけではない。守備を固める一方の消極的なサッカーに終始するチームもあるし、強豪と呼ばれるチームが個の力に任せるようなサッカーで得点を奪い、あとは流してしまうような試合もある。

 しかし今回の準決勝2試合は、3-0、2-0と点差は開いたものの、「ビッグネーム」のアルゼンチンとフランスというこの大会にはいって非常に良くなってきたチームの連係やバランスを生かして得点する一方、「チャレンジャー」と位置づけていいクロアチアとモロッコが見事なサッカーでスタンドを沸かせ続けた。本当に見応えのある2試合だった。

 私だけでなく、多くの人が現地時間12月17日(日本時間18日0時キックオフ)にハリファ国際スタジアムで行われる3位決定戦「クロアチア×モロッコ」に大きな期待を抱いているのはそのためだ。ともにほとんど先発メンバーを変えずに戦い続けてきて7戦目。同じF組の初戦(11月23日)に対戦し、シュート数も枠内シュートも同数(7本、2本)だった互角の試合から数えて25日目の再戦である。両チームとも、きっと疲れ切っていることなど忘れさせる好プレーを見せてくれるだろう。

(10)へ続く
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