ゴールを奪うだけがエースの仕事ではない。鹿島アントラーズに所属するFW鈴木優磨がチームを攻撃に転じさせた1本のパスが脚光を浴びている。
■状況を打開する1本のパス
改めて注目された鈴木のロングパスが飛び出たのは、2022年7月16日に行われた2022明治安田生命J1リーグ第22節のホームでのヴィッセル神戸戦だ。
後半4分、鈴木はバウンドされたボールを左サイドで相手陣内から自陣に戻りながら受けると、前線を見るや、素早く右足を振り抜く。ボールが向かった先は右サイドにいた和泉竜司で、その和泉はこのパスを胸でやや前方へ落とす。そこにインナーラップしてきたのが常本佳吾だ。常本はペナルティエリア右に侵入すると、中央へクロスを供給。これは相手にヘディングでクリアされてしまうが、素早く攻撃へと転じた場面だった。
2022シーズンのリーグ戦では7ゴール10アシストを記録したが、鈴木がこのチームで果たした役割は広範囲にわたった。ゴールを奪うことだけではないことを証明したシーンともいえるものだった。