今大会のカタールワールドカップでついに世界に見つかってしまった“鷺沼兄弟”。それは、スペイン戦での劇的なゴールで脚光を浴びることとなった。
1-1で迎えた後半6分、三笘薫がゴールラインギリギリの所で折り返したボールに詰めたのが田中碧だった。三笘がきっと中に送ってくるだろうと信じて走った田中とのコンビネーションが、日本代表に歓喜の決勝点をもたらした。
田中碧と三笘薫の2人は、小学生時代に川崎市内にある「さぎぬまSC」でプレーし、同じ鷺沼小学校に通学。さらに両者ともに川崎フロンターレでプロ入りしており、当時から鷺沼兄弟として知られていた。
その後、田中は2021年6月にブンデスリーガ2部のデュッセルドルフに移籍し、同年8月に三笘薫はプレミアリーグのブライトンに移籍(すぐにベルギーのロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズに期限付き移籍)してしまい、それぞれ別の道を歩むことになったが、日本代表でコンビが復活していた。
その2人の川崎時代の“お宝動画”を、Jリーグが発掘したのだ。それは、2020年10月31日に行われたホームFC東京戦のものだ。
川崎が相手ゴール前で直接FKを得る。ボールの前に立つのは、脇坂泰斗と家長昭博。そして、相手の壁の前に、三笘がいた。三笘は相手GKからボールを目隠しするために膝立ちしていたが、家長の指示で田中もその隣に膝立ちに。相手の壁の前に鷺沼兄弟の壁が出来上がったのだ。