■「確実にバトンは受け継がないといけない」

 世界のトップを目指す三笘だが、自身はまだそこに達していないと考えている。だからこそ、「守備をしなくても世界的な選手は決めて(チームを)勝たせるんで。そのクオリティは(今の自分には)ないので、考えないといけないという段階です」と、葛藤を語った。

 三笘は、クロアチア戦も後半途中からの出場だった。前半にいい形で日本がボールを保持できたものの、後半は徐々にクロアチアペースに。その流れを手繰り寄せことが期待されたが、なかなかいい形でボールを持てなかった。

「自分はWBをやりながらも、もっと自分が高い位置でプレーしたいという気持ちは持っていましたし、その気持ちはもちろん押し殺してチームのためにプレーしなければいけないんですけど、それも含めてW杯だったと思うので、でも、どっちもハイクオリティでできるようにしなければいけない」

 異質な「個」を持つ三笘にとってチームとのバランスをどこまで求めるか、三笘の葛藤は試合中にも表出している。

 それでも、気持ちはすでに4年後に向かっている。
「ベテランの選手は後輩に託すと言っていましたので、確実にバトンは受け継がないといけない」
 こう言い切った背番号9が、4年後、進化した姿を見せる。

  1. 1
  2. 2
  3. 3