日本代表がカタールワールドカップの決勝トーナメント1回戦クロアチアに敗れた翌日、三笘薫が取材に応じた。
悔しい負け方だった。今大会4戦目にして初めて先制ゴールを奪う展開を迎えながらも、後半に失点。そのまま粘り強く戦われてPK戦に持ち込まれ、敗れた。その2番目のキッカーに名乗りを上げたのがこの背番号9で、1番目に蹴った南野拓実が外していたプレッシャーもあった中で、三笘もセーブされてしまった。
試合後に人目もはばからず号泣したのは、大きな責任を一人で背負っていたからだ。この取材でも、それは言葉の端々ににじみ出た。
「スタメンでチームを勝たせる存在になりたいと思いました。自分がチームを勝たせたと思える試合がすべてでないといけないと思います。今回は違った役割でしたけど、選手としての幅も含めてもっともっとチームを引っ張れる存在にならなければいけないと思う」
三笘はこれがW杯初出場だったが、何度も出場している選手かのような心構えでこの大会に挑んでいた。さらに、「ゴール、アシストをもっと取って、チームを勝たせる存在にならないといけない。世界のトッププレイヤーは一人で局面を打開する力がある」と、自身に求めるハードルの高さも感じさせた。
三笘自身、厳しい環境に自ら身を置いてこの大会に挑んだつもりだった。「全部のクオリティを高めないといけないと思う」と話すドリブラーは、「クラブチームと代表でやるサッカーも違いますし、チャンスが少ない中で1回で決めきる力だったり、局面をはがすっていうのは代表の方が求められると思う」と分析したうえで、「それをやってきたつもりではいますけど、足りない」と断言した。