■日本でも根強い差別

 また、大会前に話題になったのが、LGBT(性的少数者)への差別、女性の権利侵害などでカタールには大きな差別・人権侵害が存在すると発表、これも欧米のメディアからの批判要素となっている。

 日本では最近、東京地裁が「同性婚を認めないのは憲法違反」との見解を示し、大きな話題となった。しかしそれを裏返せば、日本という国でLGBTに対する差別や偏見がまだまだ大きいことを物語っている。

 2011年にこのカタールで開催されたアジアカップでは、大会ボランティアスタッフの多くがカタール国民だった。真っ黒なアバヤ姿の女性(その上に大会カラーの上着をはおっていたが)もいろいろな部署で働いていた。「女性の社会進出が進み、カタールという社会が変わり始めている」という記事を書こうとして、メインメディアセンター(今大会、ハリファ国際スタジアムのスタジアム・プレスセンターとして使われている体育館だ)で働くアバヤ姿の女性の写真を撮らせてほしいと地元組織委員会の広報に依頼すると、許可が出たのは数日後。ようやく「撮らせてもいい」というボランティアが見つかったという話だった。

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