■「vs強豪国」への振り切り

 しかし、日本代表は今年の6月に戦ったチュニジア戦を境に4-3-3を廃止。この試合ではアンカーの遠藤航が相手プレッシングに狙われたこともあり、アジア最終予選のときほど効果的な攻撃を見せることができていなかった。

 すると、W杯本戦では格上と当たることも考慮してか、「vs強豪国」に舵を切り、それ以降は基本システムを4-2-3-1に変更。非保持の局面に力を入れるようになって、基本的にボールを持たれることを想定しての戦い方にシフトチェンジしていた。

 そして迎えたカタールW杯第1戦のドイツ戦では、前半を4-4-2で守って0-1で凌ぎ、後半にシステム変更。終始ボールを支配されながらも5-2-3のプレッシングで相手を苦しめ、見事に2ゴールを奪って逆転勝利を収めた。準備していた強豪国対策がハマったゲームとも言える。

 だが、迎えたコスタリカ戦は立場が逆転。今度はボールを持つ(持たされる)展開になった。日本にとってはドイツ戦から180度違ったゲームとなり、かなり苦しんだ。先述したように強力かつ再現的なアタックをあまり見せられず、終盤にミスから失点。結果的に相手のプラン通りの試合をしてしまった。

 代表チームにおいて、大きく異なる戦術プランを複数持つことは難しい。それでも、4-3-3のようなボール保持時のオプションを完全に捨てるのではなく、要素的に残しておくべきだったのかもしれない。今回のコスタリカ戦は、「vs強豪国」に振り切りすぎたことも敗因の1つと言えるのではないだろうか。

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