■変わらず世界をけん引した2人

 クリスティアーノ・ロナウドとメッシ。この2人の若い時のプレーを思い返してみると、2人ともその後のプレーヤーとしての人生はじつに浮き沈みのあるものだった。

 ロナウドはいくつものクラブを渡り歩き、そこで成功を収めながらも、同時に様々なトラブルにも巻き込まれた(今も、マンチェスター・ユナイテッドで問題の渦中にある)。一方のメッシはバルセロナでのキャリアを貫き通すかと思われたが、思わぬ形でパリ・サンジェルマン移籍を余儀なくされたのは記憶に新しい。

 また、クラブでの成功の一方、アルゼンチン代表で結果を残せずアルゼンチン国民から批判的な目で見られる時間も長かった。

 そして、年齢を重ねるとともに彼らのチーム内の役割も間違いなく変化してくるものだ。

 だが、そんなさまざまな経験を積みながらも、2人のプレースタイルはまったく変わっていない。

 すっくと背筋を伸ばして、フィジカル能力を生かして力強いドリブルで相手を置き去りにするクリスティアーノ・ロナウドのドリブル。そして、先ほども触れたように低い重心で細かく繊細なボールタッチで相手の足先を抜けてくるメッシのドリブル。 

 それは、彼らが20歳前の時から現在まで変わっていないのだ。

 だからこそ、僕は彼らのプレーを今年のワールドカップで見せてもらうのを楽しみにしているのだ。

(3)へ続く
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