Jリーグが公開した元日本代表選手の引退セレモニーの動画が、感動を広げている。アップから24時間も経たないうちに46万再生され、多くの人の涙を誘った。
またひとり、偉大なサッカー選手がスパイクを脱ぐ。J3のFC今治が今月10日、DF駒野友一が今シーズン限りで引退すると発表したのだ。
駒野は2000年、ユースチームからサンフレッチェ広島のトップチームへと昇格して、プロキャリアを歩み始めた。
年代別日本代表にも選ばれており、アテネ・オリンピックにも出場。フル代表でも78試合に出場し、2006年のドイツ・ワールドカップや2010年の南アフリカ・ワールドカップにも出場した。
クラブレベルでは、サンフレッチェ広島やジュビロ磐田など、計5チームでプレー。2019年からは今治に所属し、今シーズンもここまで17試合に出場していた。
J3は今週末に最終節を残している中、11月13日、今治の今季ホーム最終戦となる第33節・長野パルセイロ戦の終了後に駒野の引退セレモニーが行われた。
そのセレモニーでは、ピッチ上で特製Tシャツを着る駒野に花束を手渡すため、妻と2人の子どもが登場。すると、ここからサプライズ――長男による手紙の朗読が始まったのだ。家族が登場した時点で目をしばたかせていていた駒野だが、この演出にはたまらず目頭を押さえた。
長男は、はっきりとした口調で手紙を読み始める。
父のプレー集を何度も見てきたこと、父の引退を聞いたときに涙が流れたことなどを、声を震わせて語る息子を前に、駒野も懸命に涙をこらえていた。