■長男が明かした本心

 頬を伝う涙をぬぐいながら、長男は本心を口にした。

「だけど本当は、幼稚園生の頃からパパと離れて暮らして寂しかったです」

「これからはパパと一緒にたくさんサッカーしたり、ふたりで旅行に行ったり、自転車に乗ったり、公園に行ったりしたいです」

 親子ともに、もう涙をこらえることは不可能だった。そして長男は最後まで手紙を読み上げて、こう締めくくっている。

「今治の皆さん、日本の皆さん、駒野友一を忘れないでください」

 この手紙朗読のシーンの動画が公開されると、コメントが相次いだ。

「ダメだ号泣 ご家族の苦労にハッと気付かされました」
「駒野選手の気持ち、息子さんの気持ち痛いほどわかります。親子、家族って改めて素晴らしいなと思いました」
「息子さんは駒野選手の良い時より辛い状況を跳ねのけて立ち上がる姿の方に感銘を受けてたんだね。正に背中で語ったわけだ」
「先日文章では読んでいましたが、改めて動画で見て、電車の中やのに泣いてしまいました」
「昼休みに会社で見てたら、涙腺崩壊しそうになったので、来週の出張の時に、ホテルで見て号泣します」

 FC今治は20日、ヴァンラーレ八戸と今季最終戦を戦う。その試合の後は、駒野も家族と一息ついて、またサッカーとともに歩んでいくことだろう。

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