大住良之の「この世界のコーナーエリアから」第102回「ワールドカップでも普通に見逃される反則とは?」(1)得点に直結しないから大目に見られる「ファウルスロー」の画像
スローインはサッカーの大事な要素である 撮影:中地拓也

 サッカーは無数のディテール(詳細)であふれている。サッカージャーナリスト・大住良之による、重箱の隅をつつくような、「超マニアックコラム」。今回は、世にも珍しいサッカー独自のボールの投げ方。

■NHKの番組に驚かされる

 「チコちゃんが遠くに投げたいものって、何かな?」

 丸く切り抜かれた画面のなかで、偽善に満ちた笑顔を浮かべ、左右の眉を動かしながら、ひっくり返った声で後藤健生さんがこう言ったときには、ぶっ飛んでしまった。

 私の年齢になると、楽しみに見るテレビ番組は限られてくる。その数少ないもののなかのチャンピオンが、ともにNHKの『ブラタモリ』であり、『チコちゃんに叱られる』である。前者は番組が始まったときから毎回録画してDVDに残しているという熱の入れよう。そして『チコちゃん~』は、取材も女子サッカーの練習もない金曜夜の楽しみとしている。

 とは言っても、私自身は、地球科学についてはタモリさん程度の知識しかなく、『チコちゃん~』に至っては、毎回「つまんねーやつだな」と、ピンクのワンピースを着た5歳児に叱られているのだが…。

 さて先週金曜日、夕食をとりながら『チコちゃん~』を見ていると、「サッカーのスローインはなぜ両手で?」という問題が出て、思わず前のめりになり、番組録画のスイッチを押してしまった。というのは、今回のこの記事のテーマを、先々週から「スローイン」と決め、さまざまな資料を集め、時間を見つけては読んできていたからだ。そして「解説は誰だろう」と注視していると、出てきたのが後藤さんだったというわけである。

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