■「笛が吹かれてからじゃないと分からない」

 日本代表がカナダ代表とテストマッチを行った日、ドイツ代表はマスカットでオマーン代表と親善試合を行っていた。同じ中東でアジアの国と対戦するのは、初戦・日本戦を見据えてのものであることは間違いない。

 その試合で、オマーンはドイツ対策として5バックで挑んだ。結果こそドイツが勝ったものの、79分間スコアレスで試合は推移。ドイツは苦しみながら後半35分にやっとスコアを動かしたが、その回数はわずか1回。それに対して、スコアを動かすことこそなかったものの、オマーンはドイツ相手に鋭いカウンターを見せる場面がいくつかあった。

 そのため、日本代表もブロックを組んで構える戦い方をすることも選択肢の一つであり、もちろん、積極的にボールを握りに行くやり方もある。

「握らせないというスタンスから入る中で、どういう風に立ち居ふるまうのかが大事。握るときは握らなければいけない。勝つことがすべて。握って勝てるのならそれでいいですけど、点を取らなければいけない中でどういう風に取るのかという中で、握った方がいいのか、握らずにショートカウンターで攻めるのか。そこは笛が吹かれてからじゃないと分からない」

 ドイツ代表は4バックと3バックを併用する。オマーン戦も含め直近の試合では4バックでスタートしているが、6月に行われた欧州ネーションズリーグの複数試合で3バックを用いていた。相手がどのようなシステムで来るのか、そして、どのような戦い方を選択するのかによって、当然、日本代表の対応は変わる。田中は、試合が始まってからの判断を重要視している。

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