■3大陸から等距離の中東
カタールでの開催のメリットは、地理的にカタールがヨーロッパ、アジア、アフリカの3大陸から近いということだ。
各国リーグの合間に開催することが可能なのも、ヨーロッパから近く、時差がほとんどないため、選手にとって移動の負担が小さいからだ。
2014年のブラジル・ワールドカップではアジア勢は日本代表を含めて全滅に近い惨敗に終わった。あきらかに長距離移動が負担になっていたように思われる。そして、ヨーロッパ勢も優勝したドイツを除いて、良いコンディションで戦えなかった。彼らにとっても、自国から南米大陸までの移動は負担が大きかったのだ。
その点で、カタール(中東)というのは各大陸からに近く、等距離にあるという明らかなメリットがある(南米諸国の代表チームも、選手の多くがヨーロッパでプレーしている)。
大会中の移動の負担もまったくなく、また開催都市による気象条件の違いもないのだから参加各チームはストレスなしで試合に集中できる。各チームの条件が同じという意味では、きわめて公平な大会となるであろう。
以上のように、11月のカタールで開催される大会には様々な問題点と利点が存在する。「将来のワールドカップがどうあるべきか」ということを考える上での一つの実験と見なすこともできるかもしれない。
そうした面も、考えながら観戦しておきたい大会なのではないだろうか。