ウルグアイは、栄えあるワールドカップ最初の王者である。古豪の印象も強いが、その根底にはサッカー文化が根付き続けている。蹴球放浪家・後藤健生は、その一端を目撃した。
■ウルグアイ国民が悲観的な理由
スペインから独立して約200年、世界史に影響を与えるような事件などほとんど何も起こらなかった南米の小国「ウルグアイ東方共和国」にとって、第1回ワールドカップの開催と優勝は国家としての最大の誇りとなっています。
ですから、ウルグアイなら誰でもサッカーには興味を抱いています。
しかし、人口が300万人ほどの小国は、その後は南米大陸の巨人ブラジル、アルゼンチンに太刀打ちできなくなり、ワールドカップでは1950年大会以降は優勝はありません。
だから、ウルグアイ人は「どうせ、ウルグアイなんか優勝できない」と思っているのです(コパ・アメリカでは、アルゼンチンと並んで最多優勝回数を誇っていますが)。