■第1回W杯の自国開催と優勝

 実際、ウルグアイ人に「どこが優勝しそう?」と質問をしてみても、専門家も一般の市民も口をそろえて「どうせアルゼンチンか、ブラジルでしょ? ウルグアイ? いやあ、無理無理」と言います。

 ウルグアイという国は、1930年の第1回ワールドカップの開催国となり、その大会での優勝を成し遂げた国です。第1回ワールドカップにはヨーロッパの強豪は参加していませんでしたが、ワールドカップが始まる前の時代には事実上の世界選手権だったオリンピックでも、ウルグアイは1924年のパリ、1928年のアムステルダムの2大会で連覇しており、まさに「世界最強国」の一つでした。

 そして、第2次世界大戦後の1950年のワールドカップ・ブラジル大会でも、決勝リーグの最終戦で開催国のブラジルを破って優勝しています(「マラカナッソ」。ブラジルにとっては「マラカナンの悲劇」、ウルグアイにとっては「マラカナンの歓喜」)。

(2)へ続く
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