■復活した大迫勇也
その神戸の復調をもたらしたのは、大迫勇也の復活だった。
川崎戦では、シュート1本に抑えられてしまい、後半にはGKと1対1になった場面で決めきれなかったことで大迫の復活を疑問視する声もあるが、ボールを川崎に握られる時間が長い中で神戸が攻撃の形を作る上で大迫の存在は必要不可欠のものだったことは間違いない。
最前線でのターゲットとして素晴らしいパフォーマンスを発揮したのだ。
劣勢だった神戸が初めてチャンスらしいチャンスを作った23分の場面は、すでに言及した。バイタルエリアでボールを持って山口蛍が走り込むタイミングを待ってパスを出したのはさすがに経験豊富な大迫らしいプレーだった。
そして、前半の神戸はその後、31分、32分、33分と連続してチャンスを作ったのだが、すべての場面でパスの受け手として、あるいはパスの出し手として大迫が絡んでいた。
また、後半の49分には大崎玲央からのボールを受けた大迫がハーフライン付近から縦に深いパスを送って山口を走らせる場面もあった。