■グループリーグ突破に向けて

 日本は本戦でドイツ、コスタリカ、スペインと対戦する。初戦で当たる格上のドイツと、2戦目で当たる同格のコスタリカには違うメンバーをぶつけた方がいいのではないかという意見も散見される中、城氏はこれに異を唱えた。

「ドイツ戦は(キリンチャレンジカップ2022の)アメリカ戦のようなメンバーを組み、コスタリカ戦はターンオーバーしてエクアドル戦のようなメンバーで戦うのではないか、という意見がありますが、日本はそんなレベルじゃないので。コスタリカも強いですから。

 僕はターンオーバーは難しいんじゃないかなと思います。とにかくグループリーグを突破しないことにはベスト16、8には行けないので。(選手を)休ませるレベルには達してないと思います」

 そう語ったうえで、日本のベースは先日のアメリカ戦でのスターティングメンバーになるとコメント。ゲームを支配されることを前提に、前後半で戦い方を分ける方法を予想した。また、三笘薫についてはジョーカーとしての起用を予測している。

「アメリカ戦のメンバーがベースになるでしょうね。主導権を握られるでしょうから、守備が前提になると思います。前半は1トップに前田(大然)や浅野(拓磨)といった前からどんどん追える選手を置いて凌ぐ。そして後半に大迫(勇也)を入れたり、ワンチャンスをモノにできる三笘(薫)を投入したりするのかなと思います。

 三笘はスタメンで出ている試合ではあまり良い活躍をしてないですよね。彼のドリブルは世界を相手にしても物凄く脅威になると思いますけど、前半から主導権を握られると守備をしなきゃいけないので。

 そこで体力を奪われたら、ワンチャンスを仕留めるのが難しくなりますし。だったら後半途中からジョーカー的な存在で投入するのではないかなと僕は思います」

 10月29日に行われた第14節チェルシー戦では、プレミアリーグ初アシストを記録した三笘。ドリブルで相手DFを2人引き付けつつタイミングを外したパスでの見事なお膳立てだったが、カタールW杯でもゴールに直結するプレーを見せる機会は訪れるか。

 そして日本は、超強豪が同居するグループを突破することはできるのか。城氏が言及した選手起用にも着目しつつ、決勝トーナメント進出を期待したい。

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