北海道コンサドーレ札幌ＦＷ興梠慎三が、Ｊ１通算１６３点目となるゴールを記録した。興梠らしさ満点のゴールに、ファンの称賛が相次いでいる。
札幌は２９日に行われたＪ１第３３節、アウェイに乗り込んでサンフレッチェ広島と対戦した。まだＪ１残留は確定していない札幌にとっては、しっかり勝点を積み上げたい一戦だった。
そんなチームに勇気を与えたのが、２試合ぶりの先発となった３６歳のベテランだ。興梠は今季、浦和レッズから期限付きで札幌に加わった。浦和で共闘したペトロヴィッチ監督の誘いに応じる形で、再びタッグを組んだのだ。
期待に応えるように、第２節では早速ゴールを決めている。だが、負傷も抱えている興梠はその後はベンチからも外れ、ようやくリーグ戦２点目を決めたのは８月７日の第２４節・湘南ベルマーレ戦でのことだった。
だが、帰ってきた興梠は、終盤に入っても仕事を果たしている。第３１節では、１点を決めて川崎フロンターレ撃破に貢献。そしてこの日、札幌でのリーグ戦初ゴールを奪った広島との試合に先発したのだ。
チャンスは前半２３分にやってきた。ハーフウェーライン手前でルーカス・フェルナンデスがボールを受けた瞬間、興梠はセンターサークル内にいた。すかさず動き出し、ボールを受ける準備をするのだが、Ｌ・フェルナンデスがキープをすると、少しスローダウン。タイミングを図って「パスを出せ！」とばかりにゴール方向を指さすと、実際に出てきたパスとの合流地点へ一直線。決意のランで相手ＤＦも弾き飛ばしてパスを受けると、ＧＫもかわして無人のゴールに先制点を蹴り込んだ。
