■10月29日/明治安田生命J1第33節 川崎フロンターレ2ー1ヴィッセル神戸(等々力)
同時刻開催の他会場の結果によっては、優勝を明け渡す可能性もあった神戸戦。先制しながら追いつかれるイヤな展開だったが、試合終盤にPKでの勝ち越しに成功。白星を掴んで優勝争いを最終節に委ねることになった。
この試合は、今季最後のホーム戦だった。駆け付けたファン・サポーターは2万2110人。その多くが、川崎の勝利を願っていた。その気持ちが伝わったかのように、小林悠がPKを奪取。とてつもない重圧の中で、家長昭博が決めてみせた。ふだんはクールなこのベテランは、ゴールネットを揺らすと地面を何度も叩きつけた。それほどのプレッシャーが選手にはのしかかっていた。
試合後、鬼木達監督は選手やスタッフとともにバックスタンドに向かってスピーチを行った。ホーム最終戦なので、通常は1年間の感謝を述べる場になるのだが、川崎は優勝をかけたラストゲームがアウェイで残っている。指揮官は共闘を呼び掛けた。
「ファン、サポーターの皆さん、そしてスポンサーの皆さま、今シーズンも本当に熱い応援ありがとうございました。どんなに苦しい時も、皆さんの大きな声援と大きな拍手と温かいメッセージで、選手たちがここまで、やってこれました。今シーズンはカップ戦でかなり悔しい思いもしましたし、けが人が多かったり、コロナの、なかなか自分たちではコントロールできない部分で、悔しい思いをしました。それでも今日のように大きな声援の中、戦えることを本当に幸せに思いますし、この等々力の声出し応援、本当に最高だな、やっぱりいいなって思いました。」