サンフレッチェ広島が、ルヴァンカップ初優勝を果たした。その注目の場面が、決勝ゴールだ。その動画は22万再生と、驚きと歓喜で迎えられている。
今季のルヴァンカップ決勝は、広島とセレッソ大阪で争われた。広島はリーグカップで2度決勝に進出してきたが、いずれも準優勝に終わっていた。さらに広島は、10月16日に行われた天皇杯決勝でJ2のヴァンフォーレ甲府に敗れてカップ戦優勝を逃している。また昨シーズンのルヴァン杯ファイナルで涙をのんでいるC大阪にとっても、渇望するタイトルだった。
先制したのはC大阪だった。加藤陸次樹が後半8分にGKへのバックパスをカットして、そのままゴールネットを揺らしたのだ。広島としては、天皇杯での悪夢がよみがえったかもしれない。
しかし、終盤に試合が大きく動く。C大阪に退場者が出てしまったのだ。このプレーの確認でVAR判定に費やした時間を考慮して、目安が9分と示された後半アディショナルタイムに、ドラマは待っていた。
アディショナルタイムに入ってから6分後には、CKの場面でC大阪にハンドがあったと判定され、広島にPKが与えられる。決めたのは、交代出場していたピエロス・ソティリウだ。
このキプロス代表FWは、さらに大仕事を成し遂げる。試合を振り出しに戻した3分後、またもゴールを挙げるのだ。満田誠が蹴った右CKは、ゴール前へと飛んでいく。周囲の選手たちが動いて相手のマークを拡散する中、構えていた荒木隼人が合わせるかに見えたが、そうはならなかった。ボールはそのまま流れてしまう。
しかし、その裏にあの男がいた。ソティリウである。ボールが来ることを信じていた助っ人FWは、少し跳びながら右足で合わせる。この合わせ方が特筆もので、角度やスピードを考えれば押さえて蹴るのがとても難しい場面としかいいようがないのだが、見事にこれをゴール左に流し込んだのだ。
Jリーグがツイッター公式アカウントでこのゴールの瞬間を公開すると、なんと4時間で22万回も再生された。その後も再生回数は、驚異的な増え方を続けている。