■外国人監督が「厳しいリーグ」と評する理由
そんな中で、今シーズンは新潟と横浜FCの力が突出していたが、それを追うチームもチーム力を上げてきた。
長いリーグ戦を考えれば、選手層の厚さも含めて新潟、横浜FCの実力が図抜けていて両チームが順当に勝点を積み重ねてきた。しかし、第41節でアップセットが続出したことでも分かる通り、J2の中位チームであっても一つの試合だけなら上位を倒す力を十分に秘めているのだ。
いや、J2で18位の甲府が広島を倒したように、J2下位チームであってもJ1上位にも戦いを挑めるのだ(甲府は単に守備一辺倒で戦って偶然の得点で勝利したわけではない。攻撃の形をきちんと作っていた)。
また、東京Vが新潟を破った試合を見ても、また金沢が横浜FCを破った試合を見ても分かるように、対戦相手をしっかりと分析してそれぞれの対策を立てて上位チームの良さを封じるような戦い方をするチーム(監督)が多い。それがJリーグというリーグの特徴なのだ。ある意味で、イタリアのセリエAに似ているともいえる。外国人監督が「Jリーグは厳しいリーグ」と言うのは、そういう意味なのだ。
アップセットが連続したJ2第41節および天皇杯決勝は、そんな現在のJリーグの立ち位置を示すような試合ばかりだった。