【女子サッカー考察】求められる「理念先行」から「実務優先」への路線切り替え【WEリーグの新シーズンに必要なもの】(2)の画像
試合数の拡大などWEリーグには課題がある 撮影/渡辺浩樹

 WEリーグの新シーズンが始まる。リーグ戦開幕に先駆けて、すでにリーグカップも決勝までが行われた。WEリーグ創立から1年が経った現在、見えてきた日本女子サッカーの現在地をサッカージャーナリスト・後藤健生がつづる。

■リーグカップの意義

 さて、この日に決勝戦が行われたWEリーグカップ。正規リーグが10月22日に開幕するのを前に、加盟11チームを2つのグループに分けて1回戦総当たりで対戦し、両グループの首位チームが決勝に進んで優勝を争う大会。いわゆる「リーグカップ」、JリーグでいえばYBCルヴァンカップに当たる大会である。

 ただし、ルヴァンカップがリーグ戦と並行して開催されるのに対して、女子のWEリーグカップはリーグ戦開幕前のプレシーズン大会として開催されるので、大会の性格はかなり違う。

 ルヴァンカップではリーグ戦優先でターンオーバーを使って戦うことが多くなるが、WEリーグカップの場合はフルメンバーで戦うことができる。ただし、リーグ戦開幕前の準備として新しい選手のテストや新システムの習熟に充てられる大会ということになる。

 WEリーグ初年度となった昨年の春から夏にかけてもプレシーズンマッチは行われたが、今回はタイトルのかかった公式戦として開催されたのだ。リーグ戦を良い形でスタートするためには有意義な大会ということはできるだろう。

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