■ロシアの「高速」エスカレーター
僕がエスカレーターに乗る時に開いている側を歩いて上る(下りる)理由は、一つには立つ側(関東では左側)は乗るのを待つために大勢の人が並んで渋滞している事が多いからです。しかも、エスカレーターのスピードが遅くてイライラするのも理由です。
海外のエスカレーターに比べて、日本のエスカレーターは遅すぎると思います。
エスカレーターというのは、20世紀に入ったころに初めて実用化された乗り物で、あまり歴史が古いものではありません。ですから、昔は「エスカレーターに乗るのが怖い」という人がけっこうたくさんいました。それは世界中同じだったみたいですが、安全を大切にする日本ではエスカレーターのスピードをあまり上げないのでしょう。
しかし、海外に行くと高速で動いているエスカレーターもあります。
たとえば、ロシアのモスクワの地下鉄。
1935年に初めて開通したモスクワの地下鉄の線路は地上からかなり深いところを走っています。モスクワという街の土壌の特徴から、深いところを走らせる必要があったと言われていますが、同時に地下鉄が防空壕として利用されるからとも言われています。
実際に、第二次世界大戦でナチス・ドイツの軍がモスクワから数十キロのところまで迫った時には退避豪として使われたらしいですし、核戦争にでもなれば地下鉄はシェルターとして使われるはずです。
さらに、地下鉄とは別にモスクワの地下には政府専用の地下壕が存在するとも言われています。もっとも、東京にも丸の内や霞が関の官庁街を中心に政府用の地下通路などがあるという都市伝説が存在していますが。
いずれにしても、モスクワの地下鉄は地下深いところを走っているので、地上からホームに向かうエスカレーターはかなり長いものになってしまいます。そのため、どうしてもスピードを速くしないといけないのでしょう。