後藤健生の「蹴球放浪記」第130回「運動神経が必要な高速エスカレーター」の巻(1)アーセナル対マンチェスター・シティを観戦した1972年のロンドンでの初体験の画像
1972年のアーセナル対マンチェスター・シティの入場券 提供/後藤健生

 蹴球放浪家・後藤健生は、世界各地で取材活動を行ってきた。当然、移動ではさまざまな交通機関を使うが、もっと身近な「乗り物」もある。4年前、ロシアの地でのワールドカップで掘り起こされた記憶がある。

■エスカレーターの利用法の変遷

 2021年の10月1日に埼玉県でエスカレーター条例(「エスカレーターの安全な利用の促進に関する条例」)が施行されてから間もなく1年になります。

 ご承知の方も多いでしょうが、エスカレーターに乗る時に片側(関東地方では左側)に立って、急ぐ人たちのために片側(同右側)を開けておくという習慣がありますが、この習慣が事故につながる危険性もあるため、「エスカレーターは両側に立って利用しましょう」というのが埼玉県の条例の内容です。

 たとえば、埼玉スタジアムに行く時に利用する埼玉高速鉄道「東川口駅」では、条例が施行された当初は警備員(時には警察官)が立っていて、利用者に呼びかけを行っていましたが、最近はそういうこともなく「片側を開ける」という風習はなかなかなくならないようです。

 僕は、エスカレーターではたいてい開いている方を歩くので、その方がありがたいのですが……。

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