■本調子ではないライバルたち
さて、日本代表がデュッセルドルフでアメリカ、エクアドルと戦っている期間に世界中で多くの国際試合が行われていた。
日本が第2戦で対戦するコスタリカは韓国に遠征。韓国とは2対2で引き分け、その後韓国国内でウズベキスタンと戦った試合ではウズベキスタンに先行されながらも、後半のアディショナルタイムに2点を奪って逆転勝利。相変わらずの粘り強さを発揮した。
一方、日本が初戦で対戦するドイツ代表はUEFAネーションズリーグのグループリーグでハンガリー、イングランドと対戦したが、ホーム・ライプツィッヒでのハンガリー戦を0対1で落として決勝ラウンド進出の可能性は消滅。さらに、敵地ウェンブリーに乗り込んで行われたイングランドとの最終戦では、後半に2点を先行しながらゲームをコントロールできずにイングランドに逆転を許してしまった。最終的にはセルジュ・ニャブリのミドルシュートをイングランドのGKニック・ポープがファンブルしたところをカイ・ハヴァーツが押し込んで同点に追いついて敗戦は逃れたものの、その不安定さを露呈した。
また、日本が第3戦で対戦するスペインも同じくUEFAネーションズリーグのグループリーグでスイスと対戦したが、ホーム・サラゴサでの試合に1対2で敗れてグループ2首位の座を明け渡してしまった。
アウェーのポルトガル戦ではスコアレスドローかと思われた最終盤の88分にアルバロ・モラタが決勝ゴールを決めてなんとか勝利。ファイナル4進出を決めはしたが、得点力不足は相変わらず。ポルトガル相手に68%のボール保持率を記録したものの、なかなかゴールに近づくことができず、カウンターから何度もピンチを招いていた。
つまり、現段階でのファーストチョイスのメンバーで戦ったアメリカ戦で非常に良いパフォーマンスを見せた日本と比較すると、ドイツ、スペインはともに本調子とはほど遠い状態にあるのだ。
では、この両国に対して日本代表はどのように戦うべきなのか。ドイツ、スペインの9月シリーズの2試合を見ながら、日本代表のワールドカップでの戦い方を考えてみたい。