■韓国では当たり前の取材後の風景

 これは、2001年に『サッカー批評』の取材で韓国を訪問した時の話なのですが、『サッカー批評』第9号の誌面を見ると、たかが弘報部長のくせに(!)李鎬昇さんの写真は金浩(キム・ホ)監督と並んで使用されています。当時の編集者が「王家」ということで敬意を表したのかもしれません。

 もちろん、「王家」の一員といっても、実際に目の前にいる李鎬昇さんは普通の若いサラリーマンでした。大学では電子工学を専攻して三星電子に就職したのに、系列企業であるブルーウィングスに配属されて弘報の仕事をしていると言っていました。

 そして、李鎬昇さんは実に気さくな人で、取材を終えると近くのカフェに行ってランチをおごってくれました。

 もっとも、食事をおごってくれるというのは、当時の韓国では普通のことでした(最近はどうなっているんでしょう?)。取材に行くとクラブ側が記者に食事をおごってくれるのです。水原三星の取材は昼だったのでランチでしたが、この後に行った浦項スティーラーズの取材は夜だったので、取材後は焼肉屋に連れて行ってくれました。夜の食事で焼肉となれば、当然焼酎(ソジュ)も出てきます。

 貧乏なフリーランスの記者や編集者にとっては、大変にありがたい風習です。

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