「11人制」が教えてくれた「差の詰め方」とワールドカップに向け「やるべきこと」【ブラジルとの対戦で見えたフットサル日本代表の現在地】(2)の画像
Fリーグ・オーシャンカップ決勝で対戦する吉川(左)と金澤(右)。日本代表でも若手の台頭が期待される 写真:森田直樹/アフロスポーツ

 サッカーの日本代表に続き、フットサルの日本代表が今月、ブラジル代表と対戦した。フットサル日本代表の2度の対戦で見えてきた「現在地」を、サッカージャーナリスト・後藤健生がつづる。

■経験不足だった日本代表

 試合後に日本代表の印象を聞かれたブラジルのマルコス・シャビエル監督は「日本は監督が交代したばかり。チームを再建中なのだろう」と語っていた。

 日本は、ワールドカップ・ラウンド16でのブラジル戦では4分に星翔太が先制ゴールを決め、すぐに同点とされたものの、その後は30分くらいまで0対1のままのスコアを維持した。レアンドロ、そしてピトのゴールで1対3とされたが、その直後には西谷良介のゴールで再び1点差に追い上げもした。

 そのワールドカップ終了後、ブラジル戦で先制ゴールを決めた星翔太や西谷良介などのベテランが代表を離れ、監督も交代して若い選手たちを加えて新たにチームを立ち上げたのが現在のフットサル日本代表なのだ。

 当然、チームとしての完成度はまだまだ低い。マルコス・シャビエル監督はそのあたりのことを言ったのだろう。

 しかも、新型コロナウイルス感染症の影響で強化試合を行うことが難しかった影響も大きい。チーム作りが順調に進んでいるわけではないのである。

 これはあらゆるカテゴリーの代表チームに言えることだが、とくに新監督の下で新たにチームを立ち上げたフットサル日本代表にとっては影響が大きかっただろう。なにしろ、新生日本代表にとって国内で強化試合を行うのは今回のブラジル戦が初めてなのだ。

 世界最強のブラジルを相手に、試合の入り方がうまくいかなかったのは、そうした経験不足の影響が大きかったのだろう。

 次のワールドカップは2024年に開催される(開催国は未定)。日本代表としては、とりあえずはクウェートで行われるアジアカップで3大会ぶりの優勝を目指し、そこでワールドカップ出場権を獲得した後に次期ワールドカップへの対策を立て、そこでブラジルやスペインなどの強豪国と戦う準備をしていくしかない。アジアカップの後、どれだけ強豪国との対戦を経験できるかが重要だ。

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