【川崎フロンターレ】延期・名古屋グランパス戦で無情すぎる引き分け! “因縁試合”後にサポーターが掲げた「正々堂々戦ったチームを誇りに思う」の横断幕の画像
名古屋グランパス戦で引き分けて、険しい表情でピッチを去る川崎フロンターレDF谷口彰悟 撮影:中地拓也

■9月14日/明治安田生命J1第節 川崎フロンターレ 1ー1 名古屋グランパス(豊田)

 試合終了を告げるホイッスルが鳴った瞬間、ピッチに背を向けた鬼木達監督は天を見上げた。そしてベンチの屋根に手をかけ、今度は地面に視線を投げていた。無情さだけが表れた場面だった。

 試合の2日前、川崎フロンターレの指揮官はメディアに素直な思いを吐露した。
「到底納得できない」
「(自分がやったら)没収試合だと思った」
“言葉にしない”という選択肢もあったかもしれないが、チームを率いる立場として問いかけなければならないと判断。「自分の立場の仕事」と断ったうえで苦言を呈した。「選手を納得させられない」と悩んだ表情を見せた鬼木監督にとって、公言しなければ余計にチームにさまざまな思いが残ると考えたうえでのことだろう。

 そんな思いを知っていたからこそ、豊田スタジアムのピッチを選手は最後まで走り抜いた。とはいえ、らしくないトラップミスも散見された。珍しいパスミスもあった。生かせないスペースもあった。過密日程によって蓄積した疲労は、気持ちだけではカバーできない部分もあった。

 前半からいつものような攻撃が構築できない中で、それでも先にスコアを動かしたのは川崎だ。後半16分、ジェジエウがゴール前にクロスを上げる。これはリフレクションするものの、マルシーニョがそれをシュート。さらに相手DFに当たってこぼれたところに、橘田健人が詰めて流し込んだのだ。川崎にとって、敵地で白星を得る権利を得た瞬間だった。

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