■見慣れた光景と目新しい面白さ
一方の広島は、この試合を前にJ1リーグでの順位は2位に付けていたが、横浜FM、川崎に比べて消化試合数が2試合多い状況だったから、実質的順位は川崎より下の3位。首位の横浜FMとは実質的に勝点差3ないし4ポイントといった状況だった。
もし優勝争いの対象チームが1つだけなら、その程度の差なら逆転優勝の可能性はあるが、対象が横浜FMと川崎の2チームということになると、上位2チームがそろって崩れてくれることは考えづらいので、広島にとって逆転優勝の可能性はごくわずかだった。ただ、もし直接対決で勝利できれば川崎を上回って2位に入ることも現実的になるし、そのうえ横浜FMが何らかの原因で崩れてくれたら“大逆転優勝”すら視野に入ってくるはずだった。
いずれにしても、注目された2、3位の直接対決は、川崎が4点を奪って圧勝した。
川崎が4ゴールを奪う光景は昨シーズンまでなら見慣れた光景だったし、最近も8月に入ってからは珍しいことではなくなってきていた。
だが、この広島戦はこれまでの試合にはないような重量級同士の“力比べ”的な面白さが詰まっていた。