「後藤健生の「蹴球放浪記」第127回「珍しいプラスティック製の入場券」の巻(2)オーストラリアが果敢に挑んだ「プラ幣」の画像
これが、オーストラリアの10ドル「プラ幣」 提供/後藤健生

 蹴球放浪家・後藤健生の取材は、多岐にわたる。対象は人間のみならず、「物体」 にも及ぶのだ。日本の才能のみならず、ブラジルのカカ、アルゼンチンのサビオラらが出場した2001年の現U-20ワールドカップは、ピッチ外でも蹴球放浪家に衝撃を与えた。

■見たことのない入場券

 さて、その時の入場券は紙ではなく、プラスティック製でした。

 ちょっと見るとそれがプラスティック製だということは分かりませんが、紙製のものとは手触りがちょっと違います。といっても、ツルツルしているわけではありません。プラスティック・フィルムの上に白いインクで印刷を施し、その上に文字などを印刷しているのです。ですから、手で触った時の感触は、その白インクの印刷面の手触りということになります。

 ただ、左下には白で大会エンブレムが印刷した箇所があります。南米大陸特有のダチョウのような飛べない鳥、レアが描かれたエンブレムです。

 そのエンブレムの部分だけは透明なままになっていて、そこを触るとたしかにツルツルしていて「ああ、これはプラスティックなのだ」ということが分かります。また、全体に光に透かしてみると裏面に印刷された文字や大会スポンサーのロゴもはっきりと見えるので、それも紙製との違いです。

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