■仙台はドロ沼の4連敗

 4位からの再スタートとなったベガルタ仙台は、ホームに12位の水戸ホーリーホックを迎えた。3連敗中の苦しい状況下で、主将のMF梁勇基が先発に名を連ねた。4月3日の8節以来の出場である。背番号10はフォギーニョとボランチを組み、中島元彦が一列前の左サイドハーフからスタートした。

 また、最終ライン中央ではキム・テヒョンと佐藤瑶大がコンビを組んだ。若狭大志の離脱後は平岡康裕とキムのコンビがファーストチョイスとなっていたが、8試合連続で失点を喫していることなどから、原崎政人監督は組合せを変更した。

 先発に手を加えたものの、序盤から水戸に主導権を握られる。開始3分に左ポスト直撃のヘディングシュートを浴びるなど、相手の鋭い出足に苦しめられる。10分過ぎのセットプレーの守備をきっかけに、2列目の中島と加藤千尋がサイドを入れ替えるなどして、試合の流れを変えようとした。ところが29分、ビルドアップのパスを引っ掛けられて左サイドへ展開され、FW杉浦文哉に先制点を決められてしまう。

 この試合はJリーグによる声出し応援適応試合で、ユアテックスタジアム仙台には2020年2月以来となるファン・サポーターの声援が響いていた。仙台の選手たちにとっては力強い後押しとなっていたはずだが、スコアには反映されないのだ。74分、自陣右サイドで与えた直接FKから、2点目を許してしまうのである。

 83分に中山仁斗がPKを決め、3試合ぶりの得点を記録した。しかし、試合を引っ繰り返すことはできなかった。1対2で試合を終え、4連敗となってしまった。

 試合後の原崎監督は「ここ数試合我々らしいというか、勢いのある試合がなかなかできなくて、今日に関しては先に失点しましたが、選手が前へ点を取りに、相手のボールを奪いに、そういう気持ちの入ったゲームをやってくれたと思っています」と、チームのパフォーマンスを評価した。とはいえ、3位の岡山に勝点5差をつけられ、後方からはロアッソ熊本が勝点1差で、大分が勝点3差で迫っている。7位のV・ファーレン長崎とも勝点5差だ。2位以内でのJ1自動昇格どころか、J1参入プレーオフ出場権の6位以内の確保も混とんとしてきた。

 仙台はいつ目覚めるのか。このままズルズルと後退してしまうのか。次節は6位・大分との6ポイントマッチだ。

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