11月に迫るカタール・ワールドカップへ向けて日本代表の準備が進むが、レベルアップに余念がないのはサムライ・ブルーだけではない。各年代別の青いユニフォームを着る選手たちも、それぞれの目標に向けて、日々歩みを進めている。サッカージャーナリスト・後藤健生は今回、静岡県で行われた国際大会を取材。U-18日本代表に目を凝らした。
■ACLで韓国勢に勝てなかったJクラブ
日本の選手たちは正確性の高いパスを駆使するだけのテクニックやそれを生かすための戦術的な能力は持っている。そして、優れたコミュニケーション能力を生かして、チームを立ち上げたばかりのSBSカップでもチームは機能してもいた。だが、肝心のボールの奪い合いではウズベキスタンに敵わなかったのだ。
これは、ある意味でよく見かける光景である。
たとえば、つい先日まで埼玉スタジアムなどで行われていたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)東地区の準決勝までの大会。
最終日には浦和レッズが全北現代モータースと対戦し、延長後半のキャスパー・ユンカーの劇的な同点ゴールで追いつき、PK戦では西川周作が相手のキック2本を止めて、浦和が決勝進出を決めた。
だが、浦和は試合に勝ったわけではない。
2022年のACLでは、グループステージから準決勝までの間にJリーグのクラブは韓国のクラブと8試合戦ったが、結果は4分4敗(PK戦は引き分け)。つまり、日本のクラブはとうとう韓国相手に1勝もできずに終わったのだ。
ここ数年、Jリーグのレベルは急激に上がっており、サイドバックのインナーラップなど戦術的にも高度化。フィジカル・コンタクトも強化されており、試合の技術戦術的内容を見れば、韓国よりも間違いなく上のレベルにある。
だが、結果として日本のクラブは韓国に一度も勝てなかったのだ。
何が問題なのか。
それは、1対1でのボールの奪い合いで負けたことだ。