■体格差を跳ね返した「組織」
いずれにしても、体の大きな選手やスピードのある選手がいるオランダは日本にとってやりにくい相手かと思われた。
どのカテゴリーのチームでも同じだが、2020年に新型コロナウイルス感染症が拡大した影響でさまざまな国際大会が中止となった。女子の大会も、2年に一度開催されるはずのU-20、U-17の各ワールドカップが中止になっていた。現在、U-20代表で戦っている世代の選手たちにとっては、U-17ワールドカップという海外勢と真剣勝負を経験する貴重な機会が失われたということになる。
ところが、オランダ戦はキックオフ直後から日本が完全にゲームをコントロールして始まった。
優位に戦えた理由は中盤での組織的な守備だ。
ボールを持ったオランダ選手に対して複数の選手がアプローチをかけ続けてパスコースを消してしまったので、オランダがボールを下げざるをえないといった場面が何度もあった。
しかも、ただ中盤で頑張ってボールを追いかけていただけではない。パスをつなごうとするオランダの選手に対して前線からプレッシャーをかけてサイドに追い出して、そこでボールを奪い切ろうという狙い通りの守備が機能したのだ。