■攻撃のベースとなった守備

 オランダ戦の日本は3ー5ー2システムだった。ボールを持ったオランダの選手をタッチライン際に追い込んで、そこでボランチとウィングバック、そしてセンターバックが連携して囲い込んでボールを奪い取ったのだ。

 東京オリンピック終了後に年齢制限のないフル代表の監督も兼任することになった池田太監督は「奪う」をテーマに掲げているが、このオランダ戦ではボールを奪う作業をほぼ完璧に遂行することができたのだ。

 しかも、奪ったボールを正確につなぐことができたので、奪い返されるような場面はほとんどなかったし、非常にスムースに攻撃につなげることができた。

 それは、ただ頑張ってボールを奪うのではなく、狙いをもって組織としてボールを奪えったから、ボールを奪い切った瞬間に選手間の距離が近くなり、パスコースが複数生まれているからである。こうして、奪ったボールをワンタッチ、ツータッチでつないでオランダ陣内深くまでオートマティックに運ぶことができるようになったのだ。

 崩し方のバリエーションも多彩だった。アンカーの位置にいた大山愛笑がうまくボールを散らしており、トップにクサビのパスを入れたり、サイドに開いたりとバランスもとてもよかった。

(2)へ続く
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