明暗を分けたプレスの「かけ方」と「かわし方」【「名勝負」川崎フロンターレVS横浜F・マリノスの裏にあった「3つのポイント」】(3)の画像
レアンドロ・ダミアンに呼応して、マルシーニョも果敢にプレスをかけ続けた 撮影:中地拓也

 8月7日に行われたJ1・24節の川崎フロンターレ横浜F・マリノスの対決は、名勝負となった。ディフェンディングチャンピオンと現在首位に立つチームの対戦だから当然ではあるが、ゲームが白熱した理由がある。熱戦のポイントを、サッカージャーナリスト・後藤健生がひも解く。

■川崎が上回ったポイント

 こうして、両者が特徴を生かして攻め合った90分間。そして、それを凌ぎ切ったDF陣……。もちろん、この試合の重要性は両チームとも分かっているので、集中を途切れさすこともほとんどなく、ハイレベルの攻防が続いた。

 そんな展開だったが、僕が「川崎の方が良かった」と思うのは、川崎が高い位置でプレスをかけ続けることができた点だった。レアンドロ・ダミアンが(いつものように)最前線でプレスをかけると、マルシーニョや家長もこれに呼応した。

 横浜のGK高丘陽平は、ペナルティーエリアから飛び出して、DF間のパス交換に参加するタイプのGKだ。ポステコグルー監督時代から、横浜のGKはすべてこういう形で攻撃にかかわってきた。だが、GKの位置が高くなることで、レアンドロ・ダミアンとしてはGKに対するプレスをかけやすくなった。

 もちろん、横浜の側にも川崎のDFにプレスをかける時間はあったが、前線からのプレッシャーという面では明らかに川崎が上で、横浜のパス交換を難しくして、ミスキックを誘ったりする場面も何度かあった。

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