カルリーニョス・ジュニオは、ゼ・リカルド監督のもと生まれ変わろうとしているチームへの手応えも口にした。特に、乾とピカチュウという新戦力2人が名を連ねた両サイドについて「とてもクオリティが高く、しかも賢い」と称えた。
この夏にチームにやって来た乾とピカチュウは、まだ周囲を確認しながらのプレーも多く、個人としての攻撃力が全開になっているわけではない。しかし、早くも攻撃の起点として機能していた。ボールを持って相手を引きつける乾と、ワンタッチで攻撃を加速させるピカチュウは、どちらも内側へ動くことでサイドバックの活躍を促進。山原怜音と原の両サイドバックがともにアシストを記録したのは、決して偶然ではない。
また、この試合が移籍後初先発となった乾は、守備に切り替わった際、相手のファーストチョイスを消す的確なポジショニングで状況を整理し、スタッツには表れない多大な貢献も果たしていた。カルリーニョスの言葉の「賢い」の部分だ。それも、サイドバックが思い切りよく攻撃に加わることができる要素だった。
ゼ・リカルド監督が率いる明確な起点のあるチームは、この日シュート数で東京を上回った(11-9)。これで3試合連続(浦和戦11-6、鳥栖戦14-7)だ。乾はこの日が初先発だが、彼1人に限らず、攻撃から守備への切り替えでの全体的なポジショニングの整理や、攻撃の際に中途半端に戻さずに最後まで持って行ける全体のバランスの良さが備わってきていることが数字として表れている例の1つと見ることもできるだろう。