■「ワールドカップに出ることが重要なんじゃなくて…」

「ワールドカップに出ることが重要なんじゃなくて、結局ワールドカップでどういうプレーをして、僕がどういう表現をするか。日本代表として。そこが重要なんですよ。結局ワールドカップのメンバーに入ってOKじゃなくて。メンバーに入ったら、代表として戦うわけで。セルクル・ブルージュ……世界的に見たら一流には遠いクラブかもしれないですけど、そこで出られない選手がワールドカップで活躍できるんですか? っていうところなんですよ。

 別にベルギーリーグをバカにしているわけじゃないんです。でもワールドカップって言ったらやっぱり5大リーグのトップofトップの選手たちが集まる。その中で、僕が活躍する存在であるかっていうのを確かめる上では、むしろ鹿島にいる方がリスクなのかなって僕は思ってしまうんです。

 チームを変えるリスクっていうのは全く感じないし、チームを変えるリスクっていうのは、どんなタイミングでも“無い”と思います。それはオリンピック前もそうだし。チームを変えて(試合に)出られないようだったら、“オリンピックに出られない選手”なんですよ。それはもう何を言おうが。移籍のタイミングとかじゃなくて。『移籍して(試合に)出られなくて代表(でも試合)に出られない。じゃあ移籍すべきじゃなかったね』ってなったら、その段階でもう“逃げ”じゃないですか?」

 一息ついた上田に「力のあるやつが生き残る」とこちらが言葉を重ねると、若武者の咆哮は続いた。

「そうです。たぶん、ワールドカップに出て、点を取ってチームを勝たせられる選手は、どのタイミングの移籍だって何も関係ないと思うし。このタイミングで僕が移籍して、結果を残せなくてワールドカップに出られなくても、僕はそれまでだと思います。そういう選手だったと。まだ僕はそのレベルなんだなっていうだけ。W杯が全てではないし、自分のキャリアもあります。でも何を取っても、このタイミングの移籍は“リスク”にはならないと思います」

 チームも上田も、良いスタートは切れなかった。しかし、そうまくしたてた彼の目から並々ならぬ決意が感じられたのも事実。まずは1得点、そして1勝。高みを目指す上田の挑戦は、始まったばかりだ。

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