■一番W杯に連れていきたい選手

――他に本大会メンバー入りの候補はいますか。

大住「僕の中では、もう1人いるんだよ。水沼宏太

後藤「やっぱり、そこに来たか(笑)」

大住「水沼は、欲しい。ワールドカップのチームに、彼が欲しい。最終戦では1万4000人くらい入ったけど、鹿島スタジアムでの試合ではサポーターも少なくて、水沼の声が響いていた。試合中ずっと、何かあると声を出すんだよね。誰彼構わず声をかけるし、森保一監督によれば、ピッチを離れても、宿舎でも皆に声をかけてコミュニケーションを取って、人と人を結びつける働きをしている、と言うんだよね。すごい褒め言葉だなと思ってさ」

――確かに、素晴らしい評価ですね。

大住「ワールドカップでは、少なくとも3週間くらいは同じメンバーで一緒にいて、ホテルと練習場を往復するという閉じ込められた生活を送る。その中で、チームの雰囲気というのは非常に大事になる。試合に出ている選手、出ていない選手という全員の気持ちを前向きにさせるというのは、チームの中からしかできないんだよね。監督とかコーチがいくら言ってもできない。あの人が頑張っているなら頑張ろう、あの人が我慢して試合に出られないのに練習で頑張っているから頑張ろうと、選手たちが感じないといけない。今までだって、2002年大会の中山雅史と秋田豊、2010年大会の川口能活といった存在がいた。そういう選手がいるかなとずっと考えていたんだけど、どうも今の選手たちは真面目すぎるというか。川島永嗣などはそういう存在じゃないかと思うんだけど、水沼を見た時に“この選手だ!”と思った」

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