空港では、多くの人と、その人生が行き交う。サッカージャーナリスト・後藤健生も、そういう経験を多くしてきた。時には博多で、時にはドバイで…。自分を信じて、駆け抜ける。
■世界的ハブ空港を駆け抜ける
実は、僕は空港で走ったことがもう一回あるんです。それは、福岡空港のような短距離ダッシュではなく、かなりの距離でした。
場所はUAEのドバイ国際空港(DXB)。なにしろ、世界的なハブ空港ですから、空港自体が福岡に比べてはるかに大きいわけです。
なんで、ドバイで走ることになったのか。それは、ミラノからドバイに向かう便が(原因は忘れましたが)大幅に遅延したためでした。
あれが、何の試合の時だったのか、すっかり忘れてしまったのですが、アラブ首長国連邦(UAE)で日本代表の試合があってドバイまで行って、その後、イタリアに足を伸ばしたというわけです。当時は、僕はスカパー!でセリエA中継の解説をしていましたから、イタリアには年に1度か2度は行って、現地で試合を見るようにしていました。それで、ドバイまで行ったので「ついでに」と思ったのです。
東京-ドバイの往復の航空券とドバイ-ミラノの往復の航空券は、まったく別に買ったいわゆる「別切り」でした。東京 → ドバイ → ミラノ → ドバイ → 東京という航空券を買うより、別に買った方が安かったからです。
一緒に買った航空券でしたら、一部の便が遅れて次の便に乗り継ぎできなくても、他の便に振り替えてもらえます。多少の遅れなら、次の便が待っていてくれることもあります。
しかし、「別切り」の場合は当然待ってくれませんし、他の便に乗ったら別料金を取られる可能性が高いわけです(まあ、後は交渉力にかかりますが)。