■佐々木、小池は結果を残したが…

 韓国戦の勝利は、チーム全体でつかんだものだった。誰もが存在感をアピールしたと言っていいが、代表チームには序列がある。

 左サイドバックの佐々木翔は、韓国戦でチーム2点目のヘディングシュートを決めた。特徴とする空中戦の強さを発揮したが、このポジションには長友佑都中山雄太伊藤洋輝がいる。カタールW杯は登録メンバーが23人から26人に拡大されたが、左サイドバックは通常なら2人で、最大でも3人だろう。

 佐々木は複数ポジションに対応できる強みを持つが、それは“海外組”の旗手怜央にも同じことが言える。現在の日本代表で主力となる守田英正田中碧、それに左ウイングでの先発出場を狙う三笘薫は、川崎フロンターレ在籍時のチームメイトだ。かつて構築したコンビネーションを生かすことができ、インサイドハーフやウイングにも適応する旗手が、左サイドバックの枠で選ばれても不思議ではない。

 序列を覆すのが難しいのは、佐々木だけではない。

 右サイドバックの小池龍太は、町野修斗が決めた3点目をアシストした。タッチライン際からひとつ内側のレーンを効果的に使えるが、そのプレーは山根視来も得意とするものだ。酒井宏樹がトップフォームを取り戻す前提で考えると、右サイドバックは酒井と山根で対応可能になる。3人目の右サイドバックとして小池をリストアップするのなら、攻撃のオプションを増やそうと考えるのが一般的だろう。

【その(2)へ】
  1. 1
  2. 2
  3. 3