■ネイマールは公式戦ではないこの試合を自身が楽しむ遊び場にしていた
ネイマールは足の甲を押さえて痛がっていたが、PKが与えられたことを確認するとすぐにボールを確保し、キッカーとしてスポットに向かった。なにやらおかしい。
直後に場内ビジョンにリプレイが流れると、スタジアムがどよめいた。三浦は直前で足をしっかり引いており、ネイマールが自ら飛び上がって倒れるように見えるものだったからだ。たとえ微かに触れていたとしても、あまりにも大げさだった。
VARの存在がない試合のため判定はそのまま。キッカーのネイマールは東口順昭の顔を見つめると、蹴る瞬間まで見続けて悠々と逆を突いてみせた。
PKの駆け引きについて東口は試合後「遊ばれた」という言葉で振り返ったが、ネイマールは公式戦ではないこの試合を自身が楽しむ遊び場にしていた。
PKをダイブで獲得することは、VARが導入されている現在の公式戦では不可能だ。PK獲得のチャレンジはPSMならではの遊びであり、日本ではファンサービスとしても機能した。リプレイを見てどよめいたスタジアムは、ホームゴール裏のガンバサポーターから欺きに対するブーイングが発生するとの同時に、他のエリアからは大きな笑いも生まれた。「"あの"ダイブを生で見れた」という盛り上がりが確実にあった。